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認知症の人にやってはいけない接し方とは

 

 徘徊や暴力などの周辺症状の全てを中核症状から発生する脳の機能低下のせいだと勘違いしている医師がいますが、これは間違えています。このような考えを持っている医師は症状をすぐに薬を使って抑えようと考えるのですが、これでは薬の効果が現れるはずがありません。

 薬を処方する前に認知症の人との接し方を改善する方が先です。周辺症状は「人との関係性の崩壊」から発生しているケースも少なくないので、まずは介護する人にどのように接しているのかを聞き、介護指導を行なうべきです。

「出来ないことに対して急がせたり、怒ったような接し方をしていませんか」

 認知症の人は自分では「少し記憶力が落ちたな」くらいしか思っていないのに、回りから「何度も同じ事言わないでよ」とか「何でこんなことも出来ないの」という接し方をされたら反発して当然です。さらには「また失敗して怒られるのではないか」と不安になり、それが症状に反映されるという悪循環が生まれます。ですので、家族の方は「認知症は治らない」ということをよく認識し、認知症の人の現状を受け入れて欲しいのです。

「歯磨きが上手くできなくて当たり前」

「着替えが上手くできなくて当たり前」

「洗顔が上手くできなくて当たり前」

「入浴が上手くできなくて当たり前」

「排泄が上手くできなくて当たり前」

 歯磨きが上手くできなくても、「また後でやろうね」とやさしく声をかけるような接し方をしてあげてください。「認知症を治そう」とするとどうしても認知症の人の言動を修正するようになりますので、そうではなくて出来ないことを助ける気持ちを持ってください。

 認知症を治すことは現在の医学ではできないのです。薬はあくまで補助的な役割しか持っていないし、家族との関係性が壊れた状態や張り合いの無い生活を送っていても効果は出ません。ですので、薬を処方する前に家族の指導が必要になってくるのです。

 イギリスの臨床心理士トム.キッドウッドは認知症の人にやってはいけないこととして以下を挙げました。これらは認知症の人に対する接し方として紹介していますが、普段の人間関係でも当てはまることばかりです。認知症の人にこのような言動を行なっていないか見直してみるべきです。

だます
できることをさせない
子ども扱いする
脅かす
レッテルを貼る
汚名を着せる
急がせる
本人の思いや希望を認めない
仲間はずれにする
物扱いする
無視する
無理強いする
ほおっておく
非難する
からかう
軽蔑する

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