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認知症による帰宅願望がお酒を飲んで改善した??

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帰宅願望に関してのお話をします。
83歳男性A氏、脳血管性認知症により左不全麻痺はありますが、ADL(日常生活動作)はほぼ自立。
奥さんと娘さんの3人暮らし。
A氏の介護は奥さんがされていましたが、奥さんには心臓病の既往あり、病状悪化の為入院となりました。
娘さんは仕事と母の介護で忙しくなり、A氏の身の回りのお世話をする事が難しくなり、施設への入所の運びとなりました。

施設入所から1ヶ月

A氏は施設入所後から夕方になると車椅子に移り、廊下を行ったり来たりされ、施設の出口を探されていました。
その行動に対して職員は声をかけ話を逸らしたり、カラオケに誘ってみたりと即時対処的な対応をしかできていませんでした。
幸い娘さんは母の食事介助をした後、施設へも面会に寄って下さってた為、Aさんは娘さんの姿や話を聞いては落ち着かれるという毎日を過ごされていました。

ところが、施設への入所が長引いてくるとA氏の発言に変化が現れました。

1ヶ月後からカンファレンスまで

入所1か月を過ぎたあたりから「妻はどこだろう?」「おかあさん(奥さん)に会いたいんじゃ」と泣いて訴えられたり、車椅子で施設外へ出て行かれたりするようになりました。
時には職員へ「何で私の話を聞いてくれんのやあほう、どついてやろうか」などと暴言を言ったり、職員の手を叩いたりと暴力を振うこともありました。

A氏への対応に困った為、娘さん参加のもとカンファレンス(介護に関する会議)を開催しました。
娘さんにA氏の昔の話や快(好きな事、物、趣味等)についてしっかりと聞き取りをし、A氏について深く知る事が出来ました。
それによると

・お菓子特にチョコレートが好き。
・人前に出て何かをしたりするのは苦手。
・人と話すのは好きだが、集団は苦手。
・昔から散歩は好きでよく外に出ては何時間も帰ってこない事があった。
・3度の飯よりお酒が好きと言われる程のお酒好きだった。
ということが分かりました。

カンファレンス後から

これらのカンファレンスで得られた情報を職員へ申し送りをしました。
離設された時は行動を止めずに職員と一緒に外出するという形を取らせてもらうようにしました。
また、「妻はどこだろう?」と言われたら娘さんに電話をさせてもらい、奥さんの状況を隠さず伝えてもらうようにしました。
(先に医師と管理栄養士には許可をもらいましたが)電話が終わってから、話を転換し「娘さんからこんなの(日本酒)預かってますけど」と言いお酒を出すと、目を輝かせて「1杯貰ってもいいかい?」と言われました。
お酒を飲まれてからは気持ちよくなられたのか、昔奥さんと一緒に映画を観に行った帰りに喫茶店に寄ってはあんみつを食べていた等の色々な話を聞かせて下さいました。
それらの話は全部後にノートにとり職員で共有するようにしました。
その後、離設は職員と一緒の「散歩」へと変わり、A氏から「ここの人はうちの事情も、自分の事もよく知ってくれてるから安心やね」という言葉を頂け、帰宅願望も少なくなりました。

さいごに

このケースは家族さんの協力があってこそだったので、全ての患者さんに当てはまるという事ではないと思いますが、認知症患者の行動を理解する上で患者さんの生活歴や快の情報を得る事はとても大事であると考えられます。

[参考記事]
「認知症による帰宅願望が息子からの手紙の効果で無くなった事例」

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