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徘徊中に唾液を吐き捨てる認知症入居者への対応と対策

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住宅型有料老人ホームに新しく入居されたTさん(82歳男性)の症状はアルツハイマー型認知症による徘徊です。
入居する前の自宅でも落ち着いて座っていることのほうが珍しく、常に自宅内を徘徊し、気持ちを落ち着かせて座らせても10分後にはまた歩き回ってしまう状態でした。
さらに徘徊中唾液を床に吐き捨てる行為も見られました。
夜間も徘徊するため、家族は不眠気味となり、ケアマネジャーに相談し、入居という形になりました。

入居されて3日間はTさんがどのような生活スタイルなのかを把握するため、特に何かをするわけではなく、一日の流れを観察し、記録しました。
Tさんの行動、食事、排せつなど詳細にチェックし、入居前までどのようなスタイルで生活してきたのかを把握しました。

行った対策

それらの記録をもとにまず「Tさんの徘徊、唾液を吐き捨てる行為は排泄ができていない、食事をきちんと食べていないなどの不快感を原因とする」と考えました。
そのうえで、以下の3つの対策を実行しました。

①自宅ではなかなか徘徊を止めることが出来ず、排泄管理も出来ていないようだったので、食前食後の排泄介助を行い、Tさんが感じる不快感を取り除く対応を行いました。
尿意や便意が解消されないと、健常である人でさえも不眠を訴えることがあります。
ですので、しっかりとした排泄感覚を作ってあげることで不快感の解消へ繋げました。

②確実な水分補給と食事の提供を行いました。
Tさんは食事を摂らない事がよくありましたが、家族から聞いた好きな食べ物を提供するなどの対応により、空腹感や水分不足を解消するようにしました。
これは空腹による不快感を失くすことで夜間しっかりと睡眠を取り、徘徊する時間を減らすことが目的です。

③床に吐き捨てる唾液に関してはティッシュとマスクを二重にしたものを作成し、着用してもらうことで防げるのではないかと考えました。

上記の3つを1ヶ月徹底したところある変化が見られたのです。
〇入居時は施設内の徘徊中に唾液を床に吐きながら歩いていたTさんですが、マスクの着用により床へ唾液を吐き捨てる行為は見事になくなりました。
その代わりマスクは2時間ほどで交換し、常に清潔なものを着用するようにしました。

〇しっかりとした食事・水分管理を行うことにより、空腹感や口渇はなくなり気分も落ち着き、食事やおやつの時間前後になるとテーブルに自ら座るようになりました。
生活習慣が整ってきたことにより、以前よりは徘徊する時間が減ってきています。

〇排泄管理を行うことにより、排泄に関する不快感がなくなり、それによって寝入った後も起きることなく、しっかりとした入眠時間を確保することが出来るようになりました。

正直徘徊をすべて無くすということは難しいと思います。
しかし、一般的な生活リズムを作り、誘導してあげることによって徘徊する時間やタイミングは改善できるものと思います。
さらに日中のレクリエーションで適度な運動を行うことにより、夜の睡眠を促す効果も期待できます。

それでも人間ですので不穏になってしまったり、気分が荒れてしまうことがあると思いますが、その際は医師・看護師と連携し、処方された睡眠導入剤などを服薬していただき、生活リズムを整えていくのも一つです。
Tさんが入居し3ヶ月が経ちますが、Tさんが日々笑顔になっていく姿はとても嬉しく、その姿を見たご家族から「ありがとうございます」と言われることが介護士にとって一番嬉しい言葉です。

[参考記事]
「認知症の周辺症状から起こる徘徊や暴力への対応の仕方(実例)」

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