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認知症高齢者に対する動作介助(ベッドから起きるなど)のポイント

 

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<認知症の方の不安感を感じ取る>

 認知症の症状を悪化させない為には、薬や専門家によるリハビリなどのケアも大事ですが、日々の接し方によっても大きく変わってきます。

 認知症の方は不安感が強くなると、その症状がさらに悪化する傾向にあります。施設に入居して今までとは環境が大きく変わったり、介護者の印象が悪かったり、介助方法が不適切であったりすることでも症状を強めてしまうのです。

 また、理解力・処理能力が低下している為、周りからみれば、ほんの些細な事でも認知症の方にとっては不安感を強くさせる原因に繋がります。

 認知症の方にはより一層の配慮と正しいケアを心掛けてあげることで、症状の軽減に繋がることもあります。

<認知症の動作介助で気をつける点>

 では、どのようなことに配慮すればいいのか。動作介助について例をあげてみます。

 ベッドから起き上がるのに介助が必要な方を起こすとします。普通の対応の仕方だと、「〇〇さん、起きますよ~」と声かけして介助すると思います。この時、自分のペースで介助していませんか?

声かけに対して、この方は反応しているのか?
目線はどこを見ているのか?
自分がこれから起き上がることを理解しているのか?

 これらのことを、表情や仕草などを見て、介護する側は気持ちを汲み取り、相手に合わせて誘導していくことがとても大切になってきます。

 しかし、多くの介護者はその大切さが分からず、認知症の重症度が増すほど、意思の疎通が取りにくくなるため、自分のペースで介助してしまいがちです。声かけすらしていない方もいると思います。そうなってしまうと、認知症の方にとってはこれから何をされるのか分からず、介助に対して抵抗し、介護する側はより力任せに介助してしまうという悪循環に陥ってしまいます。

<相手のペースに合わせた介助>

 それでは、起き上がる時は具体的にどのように介助すればいいのか?先に述べたように、認知症の方は理解力・処理能力に欠けていますので、ゆっくり丁寧に、これから何をするのか伝えましょう。

[ステップ1]

「〇〇さん、ごはんを食べに行きましょう。車椅子に移るから起きますよ。」のような具体的に「何の目的で起きるのか」を伝えてあげましょう。介助者の顔が見えるように話しかけてください。

 この時、目は開いているのか、自分の話が相手になんとなくでも伝わって反応しているのかも確認してください。特に目が開いて覚醒していることが大事です。

[ステップ2]

 次に、起き上がる側に顔が向いていなければ、向けるように声かけしましょう。自分の動く先が見えていないと誰でも怖いですよね。

 実は前述の目が開いて覚醒していることが大事というのが、ここに繋がってきます。人の体というのは、目を動かすことで首を動かす筋肉も同時に働く仕組みになっていますので、自然と目線の方向へ顔が向けやすくなります。

 起き上がる方に顔を向けてあげたら、ベッドの柵などがあれば掴むように手を誘導させましょう。固定されているものに体をあずけられるだけでも安心感が生まれます。また、手を誘導してあげることで上半身も起き上がる方へより向けやすくなります。

[ステップ3]

 体を起き上がる方へ向けたら、先に足からベッドから降ろしてあげると上半身が起こしやすくなります。そして、ベッドのマットレスを手で押してもらいながら体を起こしてもらうように誘導してあげます。

 共通して言えることは、まず最初はどの動作も介助をせずに見守って自分でさせてあげることです。自分で動かそうとして出来ないところだけを少し介助してあげましょう。時間がかかりながらでも、声かけして、なるべく自分のペースで動かしてもらうことが大切です。

 介助する時の意識としては、相手の手の置き場をこの位置にしたら力が入れやすくなるといったように、できるだけ自分の力で起き上がってもらうという視点で考えながら介助しましょう。

 普段寝たきりで過ごしていた人は体のバランス感覚が落ちているので、寝返りするだけでもベッドから落ちてしまうような恐怖心が出てしまう方もいらっしゃいます。そのため、中にはこのような介助だけでは足りない場合があります。

 その時は専門のリハビリのスタッフに相談することを薦めます。担当の介護支援専門員がいれば、その方を通じて訪問リハビリを利用することが可能です。

<丁寧な介助が治療となる>

 動作介助では、以上の視点が大事になってきます。

 しかし、実際の生活場面では介護者のペースで介助しているところを目にすることが多いです。認知症の方のペースに合わせると、どうしても時間がかかり作業効率が悪くなるため、難しいというのが現状かもしれません。

 ただ、このような介助の仕方ひとつで、認知症の症状が軽減したり悪化したりすることがあるということを知ってほしいと思います。丁寧な介助をすることで治療に繋がっているということを意識しているだけでも、今後の接し方に変化が出てくると思います。

[参考記事]
「トイレ介助を拒否する認知症高齢者への対応」

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