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[認知症介護]筋力低下を防ぐために介護職員が実施した策

 

 認知症を患うTさん(女性85歳)は9年前に旦那さんを亡くしており、現在はデイサービスを週に5日間利用しており、家族と同居しています(孫(長男)と二人暮らし)。他の家族や兄弟は遠方で生活しており、なかなか面会できない状態が続いています。

Tさんの症状としては主に
「下肢
筋力が低下している件」
「覇気がない事」
「食事をしたことを忘れること」
「物盗られ妄想」
があります。

 物盗られ妄想に関しては職員を疑う事もありますが、利用者様を疑う事もあります。その際、職員は疑われてもTさんの自尊心を傷つけない方法で対処ができるのですが、他の利用者様にはその知識が無い為、「Tさんの物を取っていない」と激しい口論になります。Tさんは次第に暴力行為まで見られるようになりました。

 このように周囲の利用者様からは距離を置かれたTさんはコミュニケーションが少なくなったせいで覇気がなくなっていき、会話や動作が極端に制限された生活を繰り返すようになりました。その為、ADL(日常生活動作)が著しく低下しました。上記で記載したように、特に身体的機能である下肢筋力の低下が現れるようになったのです。

 下肢筋力の低下が分かったのは、トイレ後に立てないと訴えがあったことです。いつものようにトイレへ自立歩行にて行かれましたが、その数分後、トイレからナースコールを鳴らしたのです。駆けつけて「どうしました?」と聞くとTさんが「立てないの」と言われました。

 その場では一部介助(横に付き添い支える)にて歩行することが出来ましたが、筋肉が減っていることは明らかでした。しかし問題は歩行が困難になったことで、「私は歩けない」とよく嘆くようになり歩く事を避けるようになったことです。歩行をして頂けるように自立支援を職員で話し合い、実行しようとしましたが、「歩かない」と頑なに拒否されるようになりました。

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歩くことを拒否することへの対策

 そこで試しに園外活動に参加して頂くことを提案しました。Tさんは「歩きたくない」と訴えておりましたが、お花を見に行くと伝えたところ参加を希望されました。現地に着くと、表情も良く久しぶりに笑顔を見せてくれたのです。

 園外活動の後、「また外に行った時にしっかり歩いて好きなところを見たいわ」と言われ、歩行訓練に取り組むようになり、自立歩行も心がけてくれています。

 職員と家族で連携し、自宅でも自立歩行できる機会を増やすため住宅改修し、廊下や浴室に手すりを取り付けて頂きました。この環境の変化は大きく、これを機にTさんも変化しました。施設でも活動的になり表情も良くなりました。

 職員の前ではもちろん、他の利用者様の前でも笑顔を見せてくるようになりコミュニケーションをとるようになりました。この変化を大事にし、認知症の症状緩和に繋がれるよう努力したいと強く決意しました。

[参考記事]
「[認知症介護]物盗られ妄想、迷惑電話を解決した方法(実例)」

「認知症の物盗られ妄想にどう対応しているの?」

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