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認知症による徘徊を止めないでココセコムを使ってサポート

 

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●想像もつかない距離を徘徊

 訪問介護を利用されているHさん夫婦は2人共に認知症を患っており、昼夜関係なく自宅を出て徘徊されます。息子さんと3人暮らしですが、息子さんは日中仕事に出ており、帰宅が夜遅くなることもよくあります。そのためHさん夫婦はほぼ独居状態とも言えます。

 Hさんには訪問介護事業所にて掃除や調理など生活援助のサービスを提供しているのですが、予定の時間に訪問するとお二人ともいない事はしょっちゅうです。

 突然、思い立ったように当てもなく外出され、びっくりするような場所で発見されたりします。分かっている限りでも直線距離にして自宅から約10km近く離れたところで保護された事もあります。無事に家族と再会した時も特に疲れた様子もなくお元気でしたので、その体力はすごいものです。

●ココセコムを使ってみることに

 徘徊では、どこかに出かけてはちゃんと自宅に戻ってこられる時もありますが、自宅が分からなくなってひたすら歩いている事もあります。そのたびに家族や関わる介護関係者で探し回ったり、どこかで保護されたり。

 そこでHさん夫婦の徘徊対策として、ココセコムを使ってみようという事になりました。ココセコムはGPSでその所在を探索することができる端末ですが、電池式で大きさもあるので、どのように端末を身につけてもらうか、関係者みんなで悩み試行錯誤しました。幸い季節は上着が必要な時期でもあったので、いつも着ているジャンパーに袋を縫い付け、その中に忍ばせておきました。

●ココセコムで居場所を探知

 ココセコムはパソコンや携帯電話で位置を検索する事ができます。検索の際にはIDやパスワードが必要であったり、1回単位での検索手数料がかかるのですが、息子さんから承諾を得て、事業所でIDやパスワードを取得し、いざと言うときの検索も許可をいただいていました。

 そのためヘルパーが訪問に行った時にHさん夫婦が居られなかった時は、息子さんに電話をして承諾を得た上で居場所を検索し、探しに行ったりしたこともありました。

●Hさん夫婦は池の中に?!

 ある日、ヘルパーがHさん宅に訪問した時、いつものように夫婦は不在でした。そこでヘルパーが事業所に連絡を入れ、事業所の管理者が息子さんに承諾を得た上ココセコムで検索すると、表示された居場所はなんと池のど真ん中。

 GPSの精度は数メートルの誤差があるので、池に落ちていない事を祈って管理者・サービス提供責任者・ヘルパーたちが車を走らせました。

 その池は自宅から歩くと最短距離でも7kmほどある場所でした。池は直径100メートルほどの比較的大きい池で、周囲に高さ2メートルほどのフェンスが張り巡らされていました。そのフェンスを見ると、どこからもフェンスの中には入れるような場所はなかったため、とりあえず探しに行った面々は「池には入っていないだろう」と一安心し、池の周辺地域を探索しました。

 ところが池の近辺をいくら探しても見つかりません。ココセコムのGPSは相変わらず池の中を指しています。そこでもう一度、池の中をフェンス越しに見てみると、なんとフェンス内の池の縁に夫婦で座っておられました。

 日も暮れかかっていたのでさすがに少し寒かったようですが、それでもお元気な様子でした。後日、改めて池を確認してもフェンスにはどこも侵入できそうな場所はなく、未だにどのように入ったのか解明できていません。

●生命を守るためにもGPS探索は必要

 認知症の方が徘徊するのもちゃんと目的を持っておられるので、それは「徘徊」とは言わない……という風潮があります。また尊厳、権利擁護のためにも徘徊を抑制することなく適正な対応を取ることが好ましいとも言われています。

 しかし、どこに行ってどのような事をしているのかを常に把握するためには、家族や関係する人たちだけではカバーしきれません。危険な場所に行っている場合もあるので、認知症の方の生命を守るためにもこのようなGPS探索のサービスは必要で、それらを使いながら周辺の関係者や地域の人たちみんなで守っていく事が大切です。

[参考記事]
「認知症による徘徊が理学療法士との協力で解決した例」

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