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認知症だと本人に告知すべきか

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告知しない理由1

 家族の誰かが認知症になった場合、告知するか、しないかという大きな問題が待っています。私の家の場合、祖父(75才)が認知症の診断を受けましたが、告知はしていません。理由は本人がショックを受ける可能性が強いと判断したからです。祖父は少し気が小さいところがあり、告知すると落ち込んで症状が悪化する恐れがあるので、告知に踏み切れませんでした。担当の医師にもその旨をお伝えして、私たちの許可なしに祖父に病名を言わないようにお願いしました。

 その代りに「少し物忘れがありますね」くらいの柔らかい表現で言ってくださいと医師に頼んだら、快く承諾してくれました。このように本人の性格を考えて、耐えきれないと考えれば告知は必要ないと考えています。もし、突然、「あなたはアルツハイマー型認知症です」って言われたら、どう思いますか。私は気が小さい方ではないですが、それでも数週間は気持ちが沈むと思います。アルツハイマーという言葉の響きは一般のイメージでは「治らない病気」とイコールですので、「あなたは癌です」と言われるのと同じ重さがあります。

告知しない理由2

 もう一つ、告知をしない方がいいと判断したのは告知にメリットがないからです。癌であれば患部を取り除いたり、抗癌剤を入れたりするので病気と闘うためにも告知したほうがいい場合もありますが、認知症の場合には戦う相手が見えにくいので、あまりメリットはありません。認知症の場合、告知をして何と闘うのでしょうか。記憶障害と闘うためですか。見当識障害と闘うためですか。闘う相手がぼやけているために、余計に恐ろしくなってきます。お化けと戦っても勝てないのと同じです。

 このように告知にはメリットはありませんが、一つだけ告知しないことに関してデメリットがあります。それは投薬の問題です。本人に認知症と言わないで薬を飲ませるのは倫理的な問題があると言う人がいるのです。そう思うのであれば家族や医師と話し合ってから告知をすればいいと思います。しかし、告知をしてショックを受けた状態を引きずるのならば良い影響を及ぼさないし、薬の効果も限定されてしまうので、私はやはり認知症の告知には否定的な立場です。「記憶が少し悪くなっているから、これを改善する薬を飲もうか」くらいでいいのではないでしょうか。

[参考記事]
「息子の意向で認知症の告知をしないで施設に入居した54才の女性」

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