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医師と介護職員の連携不足で認知症入居者の症状が悪化

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私が働いている北海道のとあるグループホームに入居されているKさん(85歳男性.要介護3)についてのお話をします。
昔は茶道の先生をやっており、趣味で写真を撮っていたKさん。
奥さんは早くに他界され、男で一つで娘さん3人を育て上げました。

2年くらいは在宅にて家族やヘルパーさんが見ていましたが、徘徊が始まり危険が伴うため、グループホーム入所となりました。

グループホームに入所後から徘徊が増える

生活環境が変わったせいでグループホームに入所してから徘徊はエスカレート。
何とかしなければと思っていましたが、上司は施錠を命じたのです。
しかし、私たち介護職員は施錠することにより出ていく心配はなくなるが、本人にしたらそれがストレスになり症状が悪化しますと反論しました。
それと施錠は身体拘束に当たるため、勝手には出来ません(しかし、実際には施錠している介護施設は多い)。

徘徊に対する対策

そこで、今までのKさんの生活習慣について知るために家族に連絡を取り、2時間くらいお話しを伺いました。
それによると朝の散歩が日課だったそうですので、まずは朝の散歩としてスタッフと一緒にグループホームの近くの大きな公園を20分近くかけて一周することにしました。
そのことにより、いつも落ち着きがなかったKさんが、落ち着いて朝ごはんを食べるように変化していきました。
長年の習慣というのは抜けないもので、それが無くなったことで不安を感じていたのだと思います。
我々だって今まで毎日会社に行っていたのに定年退職などで急に行かなくなると不安というか違和感がありますよね。
それと同じ事だと思うのです。
まして、Kさんは住み慣れた家を離れているという状況下で習慣も失っていた状態でした。

また、Kさんはカメラが趣味だということが分かったので、昼食前、ご自分のカメラを持ってもらい、近くの公園に写真撮影に出かけるようにしました。
Kさんは風景画、子供の写真を撮るのがお好きなようで、夢中になって撮っています。
帰りましょうか?とこちらから声をかけると、不穏になってしまうため、大体いつも1時間くらいで自ら帰ろうとされるので、こちらからは帰るという催促はしませんでした。

Kさんは茶道の先生だったということで、夕食前はスタッフ・他の利用者様を集め、茶道教室を開いてもらいました。
茶道の先生をやっていたことは記憶に多く残っており、Kさんは嬉しそうに皆に茶道を教えてくださいました。

このようにKさんの昔の生活習慣を取り入れ、ストレスのない生活を送っていただくことで、グループホームに自分の居場所を見つけることができたようです。

その後、医療と介護職員の連携不足で…

その後Kさんは、往診の先生と担当看護師の判断で薬を変更しました。
私たち介護員の前では日々一緒に生活しているので、落ち着いていましたが、医師や看護師の前だと何かされるのではないかという不安にかられ、暴言や暴力行為が出てしまっていました。
私たち介護員が説明しても、医療的な面では聞き入れてもらえませんでした。
結果、強い薬を一日に何度も飲まされ、ぼーっとして動かない時間が多くなり徐々に歩行困難になっていきました。
そして特別養護老人ホームへの転移されていきました。
そして、半年後他界。

現場で働いている介護員、医療的なサポートを行う医師・看護師。
チームプレーがきちんと行えていたらKさんはもっと長く生きていれたのではないかと私はいまでも後悔ばかり・・・。
その後ホームを辞め、私は自分自身もっと医療現場のことも学ばなければいけないと思い、現在病院のリハビリテーション部署で勤めています。
その現場でチームプレーを築き上げて、もっと多くの認知症患者さんの生活を大事にしてあげたいと思います。

認知症患者さんの心に寄り添う事は本当に精神的にも疲れてしまう時があります。
しかし、患者さんの笑顔を見たとき疲れは消えるのです。

認知症の方々は闇の中で生活しているような感覚でいます。
痛くても痛いと伝えられない。
嫌なことを嫌と言えずに、暴言や暴力行為で表現してしまう。

そうなる前に、私たちが明るい毎日に誘導してあげなければならないと思います。

[参考記事]
「看護師を気遣って徘徊を繰り返す90才の認知症女性」

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