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前頭側頭型認知症の男性が万引きをするので対策を立てました(実例)

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介護付き有料老人ホームに入所していたKさんは60代男性です。
前頭側頭型認知症を発症しています。
前頭側頭型認知症は他の認知症とは異なり、物忘れが少なくても常同行動、反社会的行動、自発性に欠ける、周囲に影響されやすい、食べ物に関して異常なこだわりがあるなどの特徴があります。
Kさんもすべてに当てはまっている状態でありました。
私はこれまでアルツハイマー型認知症や血管性認知症、レビー小体型認知症の方を介護した経験がありましたが、前頭側頭型認知症は60代前後と若いうちに発症しやすいこともあり、ほとんど触れることがなくKさんと出会いました。
ですので、特殊な症状に対してどう対応すればいいのかわからず試行錯誤でありました。

まずKさんの常同行動としては椅子や便座に座っている際に手を叩く、毎日同じ時間に同じ場所に、同じルートで向かうなどの行動が見られました。

周囲に影響されやすい症状では、隣の人が立ち上がったらKさんも立ち上がってしまいます。
例えば隣の人が食卓から離れたら食事の途中でも席を離れてしまうなどの行動がありました。

食べ物に関して異常なこだわりとしてはKさんは甘いものを好んでおり、売店でお菓子を大量に買って黙々と食べてしまうことがありました。

反社会的行動としては、順番を無視する、売店で金銭を支払わずに商品を持っていこうとするなどの行動が見られました。
また、介護職員に対して身体を触ってくるなどの行動も見られました。

前頭側頭型認知症に対する対策を実行

Kさんを観察していると、喜怒哀楽があまり見られず、無表情で常同行動や反社会的行動をしているように感じました。
それらの行動はKさんが自発的にやりたいと感じてやっているのではなく、思考する前に行動してしまっているのではないかと思います。

座位の際に手を叩く、毎日同じ場所へ向かうなどの常同行動はそれを止めてしまうと、Kさんの生活ペースやルーチンワークを乱してしまうことになると感じたので観察することに留めました。
周囲から見て「また同じ行動をしている。」と気になったり苛立ちを感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、常々同じ行動をするというのは本人にとっては日課であります。
日課を守ることは安心感や安定感に繋がるため、無理に止めてしまうことで、かえって認知症が悪化し、暴言、暴力、感情失禁に繋がる可能性があります。

しかし、Kさんの手を叩くなどの常同行動により、他利用者が不快感を示した際は喧嘩に発展してしまう恐れがあります。
そういった時はKさんにお茶やおやつを勧めることが多かったです(Kさんは甘いお菓子が好きでした)。
その他にも隣に座って立ち上がる動作をして散歩に促すことで、常同行動から抜け出してもらうことをしました。
常同行動を利用してと言ったら言葉が悪いですが、人が立つとKさんも立ちますので、その性質を利用して、散歩に促していました。

万引きなどの反社会行為に関しては「支払いをしなければ買ってはいけない、万引きになってしまう。」と説明しても善悪の判断がつかないので理解してもらえません。
ですので、売店に行こうとしている際は付き添います。
そして、Kさんにレジで商品を確認してもらってから領収書をもらい、金銭管理している介護職員が後ほど支払うという形にしていました。
前頭側頭型認知症の場合、罪の意識を理解してもらうことが困難です。
ですので、事前に万引きになってしまわないように売店と連携を取って対応をしたり、介護職員が必ず付き添いをすることで、万引き行為になってしまわないように対応する必要もあります。
また、職員が金銭管理をするのは、もうひとつの理由があります。
Kさんは食べ物に関して異常なこだわりがあると先ほど言いましたが、甘いものを好きなだけ食べてしまうので、それを避けるためです。

[参考記事]
「前頭側頭型認知症ってどんな症状があるの?」

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