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認知症による異食行為への対応。ビニールを食べ救急車で運ばれた事例

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 特別養護老人ホームに入居されているBさんは認知症が進むことで現れる「異食行為」が目立つようになってきました。最初のうちは他の利用者が床に落としたご飯やおかず等を拾い、口に入れる事をしばしば目撃しました。その都度声掛けで対応していましたが、一向に止める気配が見られませんでした。ただしこの時点では口に入れている物が食べ物でしたので、そこまで危険視はしていませんでした。

異食行為による窒息

 昼食後の休息の時間帯に、女性職員の悲鳴が施設内に響き渡りました。「誰か来てください!」ホールにいた数名の職員が悲鳴のするところに向かうと、それはトイレからでした。

 入ってみると床にBさんが苦しみながら倒れているのを発見します。声掛けを行いますが苦しみ、顔は赤くなっています。直ぐに携帯から救急車を呼び、その間に女性職員に事情を聞きました。それによるとトイレから物音がするので確認しに行くと、掃除用具入れの中でBさんがゴソゴソと何かを探している姿を発見したそうです。そして声掛けをした途端、いきなり苦しみ出し、倒れたとのことです。

 結局は救急車で運ばれ、対応が早かったためになんとか助かりました。何が原因だったのか聞くと袋を差し出されました。中を見るとビニール?のような物がクチャクチャに丸められていました。そのビニールが喉に詰まり窒息を起こしていました。広げてみると、家庭用のトイレットペーパーを梱包している袋ではないかという結論に至ります。

 当施設では業務用購入なので基本的に紙製品は段ボールできますが、入居家族のご好意から市販品の日用品などを頂くことがあります。その日、掃除を担当した男性職員がその頂いた市販品のトイレットペーパーを補充する際にトイレ内で交換してしまい、包装されているビニールを掃除用具入れのごみ箱に入れてしまったことが判明しました。それをBさんが見つけ異食行為に及んだものと思われます。

職員の考えの甘さが原因

 最初、異食行為を発見した際に「落ちた食べ物を食べているだけだからいいか」と安易に考えてしまい、それが食べ物以外の異食行為に発展する事態を何ら考えていませんでした。

 異食行為によりゴミ・ビニール・ガラスなど様々な物を口に入れる事例は私が勤めている特別養護老人ホームでも過去にありましたその教訓を忘れたことが今回の事態を引き起こした原因となりました。

周辺環境の整備

 今後Bさんだけでなく、他の利用者さんも同様に異食行為が出てくるかもしれません。そうなったときに今回のような事故を起こすわけには絶対にいきません。

 まずは他の老人介護施設がどのような対策をしているのか、「環境整備に関する研修会」に参加しました。研修後、整備を行っていく中で洗剤などの日用品が無造作に置かれていたので、置き場所には鍵をかけ職員しか入れなくする、施設内各所の巡回を定期的に複数の職員で実施し、異物が無いかの確認を行うようになりました。

Bさんへの対応

 施設内の異物を利用者の手の届く範囲に置かないようにすることは大切であるが、同時に本人の異食行為に対しても対策が必要です。そこでBさんが異食行為を行おうとした際にBさんが昔から好きだったクッキーなどのお菓子を見せ、「こっちのほうが甘くておいしいですよ」と声掛けを行い、こっちの方がおいしいと理解していただけるようにしました。

 時間が経つにつれ、おやつの時間が楽しみになり、おやつの時間の確認や今日食べるおやつは何か聞いてくることが増え、異食行為は減少していきました。

[参考記事]
「[認知症介護]自分の便を食べる異食行為に対する対策(実例)」

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