認知症の症状に「物盗られ妄想」がありますが、これは認知症の人自身が通帳などの身近なものを失くしてしまったのに、それを「人に盗られた」と勘違いしてしまう症状です。身内やヘルパーさんなどの身近な人ほど疑われる可能性が高く、介護する人にとっては気分がいいものではありません。
物盗られ妄想が出た場合にはその盗られたと主張している品物を一緒に探してあげることが大切ですが、例え見つかったとしても、あえて「ここにありますよ」と言わない方がいいです。「やっぱり、あんたが盗ったんだな」となりますので、見つかった場所を指さして「あそこを探してみてください」と言って、自ら見つけさせることが有効です。
もちろん、毎回その品物が見つかるとは限りません。その時に役に立つグッズがあるのですが、それがキーファインダーです。以下の写真のようにキーホルダーのようなモノを無くしそうな鍵などに付けます。
このキーファインダーからは微弱な電波が出ているのですが、上の写真にあるコントローラーのボタンを押すと音がピピピと鳴って遺失物がそこにあることを知らせてくれます。
有効距離はメーカーの説明では30mとなっていますので、家の中で探すには十分です。キーファインダーの欠点があるとしたら、少し大きいことと付けることができる商品が限られることです。財布であればキーファインダーを中に入れればいいのですが、通帳は付けにくいです。通帳の端に穴を開けて、そこに糸を通してキーファインダーを取り付けるものいいかもしれません。
このように工夫次第ではキーファインダーを付けられる可能性もありますので、認知症の方本人がよく失くす品物に対して、どのように付ければいいのかを検討してみてください。
物盗られ妄想だと分かってはいても探すに探して見つかった時には介護者の怒りが爆発してしまうこともありますので、家族のストレスを減らすためにも、積極的にこのようなグッズを使いましょう。
[参考記事]
「認知症の徘徊に役に立つGPS」
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