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夜に大声を出し、警察に通報された認知症男性への対応

 

80代のK様(男性)は、元大手企業の管理職として多くの社員のマネジメントを行ってきた経歴があり、定年後も顧問としてアドバイス等を行ってきた立派な方です。

ある日の朝、突然、脳梗塞で倒れて救急車で運ばれたのですが、幸い命だけは助かりました。その後、病院での入院や自宅療養をしている時に脳血管型の認知症を発症しましたが、人が変わったようにキツイ言い方が増えてきました。

ご家族は息子様と奥様との3人住まいです。息子様は婚期が遅れており日々、K様は息子様に会うたびに大声で罵声をあげています。奥様にも上から命令するように罵倒するので、近所迷惑になっていると共に、家族も精神的に疲れていると相談がありました。

そこで、デイサービスの利用を開始することになったのですが、自宅と同じような事が起きないか心配でしたので、週1回から様子を見ながらスタートしました。

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【施設では温和】

施設ではいつも笑顔で礼儀も正しく、他の利用者やスタッフとも会話も弾み、日々、楽しく過ごされています。自宅において罵声を上げたりすること自体、スタッフの中では、「そんな風に見えない」と疑う者もいます。

デイサービスなどの外出時は過去の職歴から考えて、しっかりとした対応が身に付いているため、自宅で起きるような事がないものとしてサービスの提供を継続しました。

【施設でも認知症の傾向現れる】

徐々に施設に慣れてくると、大声や罵倒することはありませんが、物忘れが激しくなってきました。何度も同じことを言うようになり、職員が興味のある話題を振って会話をしますが、やはり同じ事を繰り返し話す傾向が現れ始めました。

ケアマネージャーに相談し、しばらく様子を見る(記録をする)ことにしました。ケアマネージャーと奥様と相談させていただいたところ、ご自宅でも物忘れが激しくなっている事実が判明しました。

かかりつけ医のドクターに診断してもらったところ、認知症の症状が進行していました。そこで、我々としては、週1回のご利用を2回にし、奥様の負担を減らしながら様子を観察することにしました。奥様は自分の時間が作れるようになり喜ばれました。

自宅での状況は、急に大声出したり、罵倒したりと変わらぬままでしたが、少し大人しくなってきた傾向があると奥様から連絡をいただきました。

【奥様の疲労が限界】

そうこうしている内に、夜、突然、大声を出すことがあり、近所の方から警察に通報がありました。警察は何をするということもなく、「近隣の方に迷惑になるので注意するように」と言って帰ったそうです。

今回だけの事かと思い、しばらく様子を見ていましたが、奥様の精神状況が限界とのことで、ケアマネージャーと連携を取り対応しました。ドクターからは「会話をすることは認知症にとっては良いこと」とのアドバイスをもらいましたので、K様の施設利用がない日に自宅訪問を行い、正味1時間程度、K様と会話を楽しむことを行いました。

日中にたくさん会話することで、気持ちにゆとりが生まれ、ゆっくり休まれることが増えてきたお蔭で、夜の「大声」はなくなりました。

【自宅訪問の継続】

施設利用日以外の日程で1日、1時間程度、自宅訪問し、会話を楽しむことを継続しています。また、天気のよい日には奥様と一緒に、散歩をするように提言しました。身体を動かすことで脳に刺激を与えることができるからです。すると徐々に、ご自宅でも「大声」、「罵倒」する回数が減り始めました。しかし、物忘れや繰返し同じ事を話す点は変化は見られませんでした。

現在、週2回のデイサービスのご利用を楽しみにされ、自宅でも施設での話ばかりしていますと、奥様からのコメントをいただきました。このように親身になって対応することが、認知症の進行を遅らせ、もしくは軽減することに繋がっているのだと感じます。

[参考記事]
「認知症の人が夜に大声(奇声、叫ぶなど)を出す場合はどうしたらいいの」

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