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認知症の人の借金を社会福祉協議会の協力で返済

 

 80才の女性は独居で認知症を発症していました。身内は弟だけですが絶縁状態で、近所の方に支えられて生活をしていました。

 当初関わりを持ったときには家の中はゴミだらけで足の踏み場もなく、食材はそのまま放置され異臭が漂っておりました。トイレは表現できないくらいの汚さで、近くの公衆トイレに通って排泄していました。

 ベッドも布団もなく、万年コタツで寝ては起きての生活(そのコタツをめくるとゴキブリ出てくる)。食事は亡くなった旦那の遺産もあり、料理を作ることなくいつも店に配達してもらっている状態で、自宅には冷蔵庫はありません。食材を配達するお店は本人が認知症である事を知らず食材を大量に配達し、さらにはツケ(後で払う借金)を許していました。そのせいで、あちらこちらに借金を抱えている状態。

 このままの生活を続けると借金も膨れ上がり、誰にどれだけ借りたかも分からなくなりトラブルを招きかねない状況でした。こんな状態ですので、近所の人が役所へ相談することになり、その結果、私たちが関わることになりました。

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どのような対策を実行したのか

 社会福祉協議会が実施している日常生活自立支援事業のサービスを利用しました。ただし、このサービスは有料サービスで事前に契約して実施されることになります。本人は認知症なので、身内の弟に根気よく連絡をして、やっとの思いで契約にこぎつけました。

 社会福祉協議会の職員には、2ヶ月に一回支払いされる年金を通帳から下ろし、生活費と借金返済分と仕分けしてもらい、生活費を本人に渡し、借金返済分を各店に回って返済していただきました(通帳と年金と印鑑の管理は銀行に金庫を借りて保管)。

 借金の返済に関して補足しますと、各店にケアマネジャーや社協の職員が出向き、借金の状況を確認し、借金返済プランの提示しました。そのプランに沿って、借金を返済しています。

対策の効果は

 少しづつですが、借金の返済もでき生活が安定しています。その他にもヘルパーやデイサービスを利用し、自宅の環境整備や外出機会を多くしました(店からの食材の配達を止めて、配食サービスに切り替え)。そのことで生活が活性化し、人と関わることも多くなったことで、本人も安心して生活ができるようになりました。

 それまでは通院も行ったり行かなかったりの状態で、服薬もできていなかったが、定期的に受診や薬も飲めるようになり、本人の認知症状も落ち着いてきました。

 唯一救いだったのが、旦那さんの恩給が大きく、派手な生活をして借金を作っても生活生計をしっかり立てることができたことです。今では余計な出費がなくなり、貯蓄もできています。

[参考記事]
「アルツハイマー型認知症の母は買い物依存症。そのための対策とは」

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