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認知症による不眠に対する3つの解決策

 

 認知症になると様々な理由で不眠の症状が発生する事があります。介護者が本人の様子から原因を探り、解決方法を検討する必要も出てきます。不眠の原因の中には便秘や身体の痛み等、身体的不調が関わっている場合もあります。ここでは認知症による不眠の介護体験談を解決方法も交えて紹介します。

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昼夜逆転状態に陥る

 Dさんは老人ホームに入居していましたが、入居当初は認知症の症状は無く、自分の事は自力で行える状態でした。しかし入居して1年が過ぎた頃から物忘れや服を裏返しに着るといった症状が発生し、アルツハイマー型認知症と診断されたのです。

 そして次第に昼夜逆転の生活となり、夜間に居室内や廊下をウロウロする様子が見られるようになりました。夜間に出歩くため日中は横になっている事も多く、食事やレクリエーションにも参加できず、心身機能の悪化がさらに進む可能性も出てきました。

早急に解決方法を考える

 職員会議でDさんの対応について話し合いがなされました。
そこで
「日中の活動性を上げるため本人が興味の持てるレクリエーションを企画する」
「夜間に部屋を暗くする事で不安になっている可能性があるため、部屋の入口の電気と常夜灯をつけておく」
「夜間に居室を訪問して様子を確認する」
といった意見が出され、この3つを実行する事になりました。

 睡眠薬の服用といった意見も一部では出ましたが、日中の活動性を上げる事等によって夜間の不眠が改善する可能性があったため、この時は行わなかったです。薬に頼らない方法でまずは解決を図ってみる事になりました。知り合いが勤めている介護施設では入居者に不眠の症状があるときには(人手不足が理由で)睡眠薬を服用させてしまうと言っていましたが、私の施設では出来ることは全てやり、それでも改善しない場合には薬に頼るようにしています。

3つの解決方法を実行した結果、状態が落ち着く

 Dさんが過去に趣味としていた縫物や音楽等を行うレクリエーションを企画、実行して日中の活動性を上げる事に成功しました。

 そして常夜灯を点け始めてから廊下に出てくる事は次第に少なくなり、夜間眠れない時は職員と会話をした後でベッドに誘導すると、その後はぐっすりと休まれる様子が多くなったのです。

 認知症による不眠は、日中に活動する機会が無い事や真っ暗な部屋にいる中で恐怖や不安を感じてしまう事といった理由で起こる場合があります。認知症の方の中には自分から不眠の原因を訴える事が出来ない人も多いです。どうして不眠の状態になっているか介護者が普段の様子を注意深く観察する事が大切になります。

[参考記事]
「認知症の人の不眠や睡眠障害にどう対応しているの?」

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