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認知症によりボールペンを食べる異食行為を止めさせるための対策

 

 認知症の影響で起こる異食行為は必ず全ての方に生じる症状ではありません。しかし何の前兆も無く突然発生する事もあるため、認知症の方に対しては日頃の様子を注意深く観察する必要があります。今回は認知症の影響で発生した異食行為の介護体験談を紹介します。

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ボールペンを食べ物だと認識してしまう

 介護施設に入居しているBさんは、入居当初認知症の症状は見られず、職員や他の利用者と会話や手芸等を楽しむ女性でした。しかし介護施設に入居して2年が経過したころから「ご飯まだ食べてない」という発言が目立ち始めたり、季節に合わない服装をしたり、今まできちんと行っていた整髪や洗顔を行わないようになってきました。

 ある日、職員がBさんの居室に伺うと、Bさんが自室にあったボールペンを舐めていたのです。職員が「それは食べ物ではありませんよ」と声をかけたところ、すぐに口からボールペンを離しましたが、赤ペンのインクを相当な時間舐めていた様子でした。そのせいで、口の中や口の周りは赤いインクで染まっていました。すぐに医師に連絡し診てもらいましたが、身体に悪影響はありませんでした。しかし、インクを舐めているわけですから、命に関わるような重大な事態に発展する可能性もありました。

 その後Bさんはアルツハイマー型認知症と診断されたため介護方法の見直しを行う必要が出てきました。家族と話し合って居室からボールペンは撤去し、数分ごとに居室を訪問して様子を確認する事となりました。その後は異食行為の症状は見られなくなりましたが、異食行為は突然現れることがあるので、常に心身の様子観察を行う事の重要性を再認識したのです。

トイレの芳香剤を食べ物だと認識してしまう

 他の入居者の例をもう一つ紹介します。アルツハイマー型認知症と診断されているCさんは、失禁が多く、居室内に匂いが漂う状況が見られたため、家族と話し合い、芳香剤を置く事にしました。

 しかし深夜に職員が見回りのため居室に伺うと、芳香剤を口に入れようとしているCさんを発見したのです。幸い口に入れる前でしたので、身体に悪影響はありませんでしたが、桃の香りがする芳香剤を見て食べ物だと認識してしまったようです。

 その後職員や家族が話し合い、芳香剤は本人の手が届かない所に配置する事になりました。また、甘い香りがすると食べ物だと勘違いしてしまうため、無臭の芳香剤を使用する事になりました。芳香剤以外のものを異食行為する事はありませんでしたが、認知症の影響で匂いがあるものを食べ物と認識する可能性がある事を改めて学ぶことになりました。

[参考記事]
「[認知症介護]自分の便を食べる異食行為に対する対策(実例)」

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