Read Article

広告

[認知症介護]自分の便を食べる異食行為に対する対策(実例)

広告

 

アルツハイマー型認知症で88歳の女性の方のお話をします。
農家の長女として産まれ、専業農家へ17歳で嫁ぎ、3男2女に恵まれました。
最初は長男夫婦と同居していたのですが、自宅周辺の徘徊や火の不始末などが増えてきました。
なんとか在宅で生活をと長男夫婦は介護をされていたのですが、早朝玄関先で転倒され、左大腿部頸部骨折にて入院、付近の兄弟も頼れず在宅での介護は困難との事で施設入所になりました。
基礎疾患としてアルツハイマー型認知症以外に便秘症がありました。
認知症になる前は、社交的で誰とでも話す方だったと長男より聞きましたが、入所されたときは認知力低下によりほとんど話すことなく一点を見られていました。
また、入所された当初より車椅子での生活でしたが、立ち上がり頻回(頻繁に立ち上がる)がありました。
足腰が弱いのに車椅子から頻繁に立ち上がろうとして歩いてしまうため、転んで怪我をするリスクがありました。
また、立ち上がる時の反動で車椅子が自然と後ろに行っているときがあって、すごく危険な状態でした(ブレーキを職員がかけているのですが、いつの間にか本人が解除している事も
あります)。

さらには、自分の腕の皮膚を食べようとする行為(薄皮1枚程度)、テーブルの上に飾ってある花の土や自分の便を食べる異食行為が頻繁に見られました(オムツの横から手を入れて便をかき出して食べてしまう)。
(別の関連施設の話なのですが、異食行為のある方の枕を家族様が職員に黙ってそばがら入りの枕に変えており、夜その枕を破って本人様が食べてしまい、喉につまらせて死亡する事故がありました)

異食行為などの症状に対する対策

早速医師を含めた多職種会議を開催し、次のような対策を立てました。
まず第一に自分の皮膚を食べる行為を防ぐために、農作業用の腕カバーの上から長袖の洋服を着用しました。
また、かさぶたが沢山あったので、その痒みの為にむしっていると考え保湿クリームを塗布しキズの早期治癒に努めました。
最初の頃は腕の皮膚をむしることが出来ず、洋服の上から自分の腕を噛んでいたのですが、その行為も徐々になくなり、かさぶたが全部治る頃にはほとんど行為は見られなくなりました。

第二に頻回な立ち上がりについて、転倒のリスクもあり車椅子ベルトの使用も検討しましたが、拘束になるため却下となりました。
その為、立ち上がった際に自動的にブレーキがかかる車椅子「にげない君」に変更し、常時見守り体制ができる場所へ本人様を移動しました。
さらには移動にはU型歩行器を使用し、極力体を動かすことで日常のストレス軽減を図りました。
立ち上がりがあったとしても「立ってはいけません」等の声かけを行うことが本人様にとってストレスでは?と判断し、好き放題立ったり歩かせることにしました。
立ち上がりも制限せず、歩きたい時はU型歩行器で横に付き添う事で運動量が増えストレス軽減されたためか、立ち上がりも少なくなりました。

第三に異食行為ですが、テレミン下剤を使用してどれくらいの時間で排便があるのかを確認して、次回からはその時間になったらオムツを交換したり、または排便前にトイレに誘導して異食行為を失くすということをしていました。
なるべく下剤を使いたくないと親族の方が希望したため、しばらく経ってからは以下の方法を実践しました(同時に親族の方から聞き取り調査を行いました)。
長男より農作業をしていたからご飯を沢山食べていたとの話を受け、施設のご飯だけでは満腹にならないのでは?と考え、食事を8時・10時・12時・15時・18時と少しづつ食事を提供し、夜休む前はおやつ+温めた牛乳を出しました。

カロリーオーバーになるかと思ったのですが、元々痩せ型であり沢山食事をとっても良いとの判断を医師及び管理栄養士より受けました。
食事を5回と夜食を提供することでどの時間帯も空腹感がないため異食行為が改善したことに加え、
痩せ型だった体型もどんどん標準体型に戻り、肌にツヤが戻ってきました。
テーブルの上に飾ってあった花も撤去し、そのかわりにテーブルクロスを華やかな物に変更しました。

今回のケースでは確実に問題行動は減っていましたが、さらなる結果が出る前に正月にご自宅に戻られた際、餅を喉に詰まらせてお亡くなりました。

[関連記事]
「[認知症の周辺症状⑤]異食行動を止めさせるための対策」

「認知症の人の異食、食欲不振にどう対応しているの?」

URL :
TRACKBACK URL :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

Return Top