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認知症の人が持っているプライドとは

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この記事は家で両親の介護をしている女性に書いていただきました。

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 両親が認知症になり、その後、色々とネットなどで認知症対策の記事などを探して読んできました。その中で見つけた「認知症の人が持っている4つのプライド」、まさに我が家に当てはまるものだったので、我が家の場合を記してみました。

①「認知症ではない」というプライド

 自分の「物忘れ」は自覚している両親だが、「軽い物忘れ」という認識しかありません。若い人が「私ボケてる」と何気なく言うレベルだと本人は思い込んでいるようです。

 普段から「私はボケてる」「ボケてきたようだ」などと「ボケ」という言葉は自分でもよく口にしている反面、他人が言う「認知症」という言葉に対してはアレルギーがあるのか、感情的になるほど嫌がります。我々家族がなにげなく「認知が始まったんじゃない?」と言ったことに過剰に反応し怒り出す父を何度も見てきました。両親には何度と「病院で診てもらおう」というが、「冗談じゃない私は認知症なんかじゃない!ちょっとボケているだけ」と未だに頑なに拒否し、病院で検査もできない状態です。
この経験で認知症の人は「自分が認知症であると思いたくない」と実感できました。

②「全て自分でやる」というプライド

 あきらかに体力、知力共に落ちてきた両親だが、不思議なことに最近の物事に関しては忘れてしまうのに、自分の昔のイメージに関しては忘れてはいないのです。自分が頑張っていた頃のイメージや若かりし頃の姿など、過去の記憶に従って、優れていた頃の自分の感覚でいるため、今の自分の状態を認めることが出来ないのが特徴です。

 我が家の場合、「何でも自分でできる」と主張を繰り返し、ひどい時は「これは自分がやった!」と他人がやったこともあたかも自分がやったように自慢することさえありました。母の場合は、私が夕食を持っていくと、必ず「あなたが持ってこなくても、私は自分でちゃんと作れますから!もう持ってこないでいいわよ!」と言い出す始末。お茶とだし汁の区別さえつかない母なのに、自分ができなくなっているという自覚がないのが厄介である。そのためなのか「昨日は4種類も料理を作った」と平然と嘘をつくことさえあります。

③「昔の私は優秀だった」というプライド

 認知症患者の特徴として、過去の偉業や楽しかったこと、大変だったことを武勇伝のように繰り返し話すという。まさに我が家も同じで、父は買い物や病院などで、全く知らない人に、「ここの〇〇さんは私が指導したことがある」や「〇〇さんは私の関係の〜」云々と全く関係のない人に必死の形相で過去の自慢話をするのですが、その時には私が「もう行きますよ」と引っ張っていきます。

 短期の直前の記憶はないが、何十年も前の過去の記憶は自分の忘れられない記憶となり、その過去にしがみつく父を見るたびに哀れに思う時もあります。昔、バリバリと仕事をこなしていた自分がだんだん衰えていくことで、他人に世話をしてもらわねばならない立場になり、それがストレスになって認知症を悪化させているのではないかと感じました。

 一方、母は過去の偉業ではなく、子育ての時に苦労した話をメビウスの輪のように繰り返し繰り返し語ってくれます。兄が中学生の頃、深夜まで続く塾にバスを乗り継いで迎えに行った話を「あの時は大変だったのよ〜」と語る姿はとても表情が落ち着き、恍惚とした表情で語る姿がとても印象的です。

 面白い事に、男は仕事の武勇伝、女は過去の苦労話と、なぜか「若い頃のすごかった!」という内容が全く違う。これは男女の社会的地位の差が記憶でも差となって出てるのだろう。大変興味深いと感じました。今は女性も社会進出をしているので、認知症になったら仕事の自慢話をするのでしょうね。

④「自分が正しい」というプライド

 認知症患者は、忘れてしまった事や失敗を絶対認めないそうだ。我が家の場合、5分置きに同じ事を聞いてきて、「それさっき聞きにきたでしょ?」というと「いや!私が絶対聞きにきていない!今初めて聞いた!あんたの間違いだ!」と怒り出したり、自分で失くしたものや、忘れたものも他人の責任にするのが特徴です。また、トイレなどで粗相したことなども必死で隠し、取り繕うこともします。

 以上4つのプライドについて説明してきましたが、認知症になって記憶に障害が出てきたからといって、プライドまでは失うことがないため、非常に難しい問題である。

[参考記事]
「認知症の人が何度も同じことを言うときの対応とは」

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