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母を泥棒扱いするようになった認知症の父。取った対策とは

 

 父は65歳の時に脳梗塞を発症してそれから、認知症の症状が出始めて、72歳の現在は中度の認知症です。一切外出もしなくなったせいで身体が弱くなってきて、現在要介護2となり週一回の通院で母がひとりで自宅介護をしています。

 妄想の症状もあり、母ひとりでの介護では精神的に辛いので、娘である私が週に2回くらい実家に通い、介護の手伝いをしています。

 今回は、父の物盗られ妄想の症状についてお話ししたいと思います。認知症の介護をしている方の参考になれば幸いです。

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泥棒が入ってくると言い始める

 外出することが少なくなり、足腰が弱まり、家で過ごすことが多くなった頃に、「泥棒が入ってくる」と言い始めました。もちろん、泥棒が家に入ってきた形跡はありませんが、泥棒が入って父の携帯や財布を盗もうとしているというのです。

 玄関で物音がするたびに、そんなことを言うので母はついイライラしてしまい、「泥棒なんて来てないわよ!」と父に言い放ってしまいました。それをきっかけに、父は母が泥棒だったんだ。という妄想に進んでしまいました。

母を泥棒扱いするようになった

 それからというもの父は、大事なものを家の中に隠しては自分が隠したことも忘れて、母が盗んだと言うようになりました。

 一日中、物を隠しては探す行動を繰り返す父に母も付き合って物探しをすることになりました。ですが、母が物を見つけて「ほら、あったじゃない。」と差し出すと、「やっぱりお前が盗んだのか!」というようにどんどん悪循環になっていきました。

自分で見つけ出させるように導く

 毎日介護をして、泥棒扱いされる母の精神状態は限界にきていました。そこで、ある対策を実践しました。探しているものを先に見つけて差し出したら、泥棒扱いされるようになっていたので、探し物を見つけたらそのままにして、父に見つけ出すように導くようにしてみました。

 例えば洗面台に物が隠されていたとしたら、「さっきお父さん洗面台に行って手を洗ってた時に置いてきたんじゃない?」と物が置いてあった場所に誘導して自分で見つけ出させる。「うっかり置いてきちゃったんだね。泥棒じゃなくてよかったね。」と、こんな風に、父の自尊心を傷つけないような言葉をかけました。その結果、泥棒騒動は落ち着くようになりました。

物盗られ妄想の対応策

 認知症の人は、今回の父の症状のような物盗られ妄想が多く出ます。そして身近な人が疑わられやすく、介護者を泥棒だと思い込むパターンがほとんどです。

 今回の泥棒騒動でよく分かったことは、とにかく妄想を否定しないということです。父は妄想を本気だと思って話しているので、そのことに対して「違う!」というような否定的な言葉を返してはいけないということです。「そうなんだ。大変だね。どうしようかね。」というようによく話を聞いてあげていれば、気分が落ち着いてきます。そして必ず自分で物を見つけさせるということが、大切なのです。

対応策をいろいろ試してみることが大切

 この対応方法が毎回成功するわけではなく、その時の父の気持ちの状態で変わるのですが、今まで対応した中で一番うまくいく方法でした。

 その人に合った対応方法があると思うので、介護者は忍耐が必要となりますが、いろいろ試してみて合うものを選んでみたらいいと思います。これからも、認知症の症状は進んでいくと思いますが、父の行動や発言を否定せずに介護していきたいと思います。

[参考記事]
「認知症による物盗られ妄想が引越し後に無くなった事例」

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